詐欺罪の処理

・処分行為が明らかな事例

ex.他人名義のクレカで支払って商品の交付を得た事例

 「欺」くとは、交付の判断の基礎となる重要な事項を偽る行為、として、名義を偽ることの評価をする。

 

・処分行為が明らかでない事例

ex.店員に試着の許可をもらい、そのままこっそり着て帰ったような事例

 「欺」罔行為といえるには、それが処分行為に向けられたものであることを要する、として、処分行為の有無の検討をする。

 つまり、相手方の行為が、財物の占有(利益)の終局的な移転となるものであり、そのことを相手方が認識していたか(処分意思)。

 この事例では、試着の許可は占有の弛緩に過ぎず、処分行為とはいえないし、着て帰る意図を秘して試着の許可を申し出たことは「欺」罔行為には当たらない。